「おもてなし」の難しさ

葵製茶には毎日のように団体の立ち寄りのお客様がいらっしゃいます。その人数は平均30人くらいで多いときは80人を超えることもあり、その際の抹茶無料接待はまさに戦場。お菓子の支度から抹茶を点てるまでスタッフ総出でおもてなし致します。

「なんでお客様が着いてから抹茶を点てるの?先に抹茶の粉を入れるか、点てちゃっとけばいいじゃん?」

上の言葉を良くお客様から頂くのですが、私たちが「お茶が来るのが遅い」と言われても、お客様の顔を見てから抹茶を点てるのには理由があります。それは、抹茶の粉を器に入れっぱなしにしておいたり、点てた抹茶を放置しておくとどんどん風味と味が落ちてしまうから。特に抹茶の粉は吸湿性に優れており、ほんの5分くらい器に放置しただけでも湿っぽく香りが飛んでしまうこともあるのです。お客様にすぐにお持ちしたいのはやまやまなのですが、一番美味しい御抹茶を飲んでいただくため、お顔を見てからたてさせて頂いております。

さて、団体のお客様には光速を上回るほどの高速回転で茶筅で抹茶を点てたあとは、急須でお煎茶を飲んでいただいております。たいてい私、榊原がお茶入れの担当なのですが、正直このお茶淹れ作業が一番難しい・・・・と感じているのです。若い世代の方は御抹茶を点てるほうが難しいと思われてるようですが・・・・実はお茶をおいしく淹れるのこそ難しい!と声を大にして言いたいのです。大人数ならなおさらで、80人分のお茶をハアハア息を荒くさせながら入れたのはいいが、「おいしくなかった。渋いだけ」と言われることもあり、修行が足りん・・・・と思うこともしばしばです。

なぜ、大人数のお茶を淹れるのが難しいのか?(弁明になりますが、毎回美味しくないわけではないです!たまになんです・・・)自分なりに原因を突き詰めた結果ひとことで言えば「あせりすぎ」ではないかなと。何十人も一気に出そうとすると、どうしても「早くッ早く出さないと・・・!」と気持ちが焦ってしまい、どうしても茶葉が開ききらないうちからすぐにお茶碗に注いでしまう。お茶は抽出が命なのに、その基本を疎かにしてしまった結果「薄くて苦いお茶」になってしまったのではないかと考えました。

確かに早く出せるに越したことはないですし、お茶がパッと出てきたらお客様にも喜ばれるのは重々承知なのですが、それでもそのお茶が不味かったら・・・?「お茶屋さんに行ったんだけど、出てきたお茶があんまり美味しくなかった」ということになったらそれこそ本末転倒、御茶屋の名が廃ります。・・・・ということで、「味」重視でこれからはお茶をお出ししていきたいと改めて誓いました。

もしこれから団体で葵製茶を訪れるお客様、どうかどうかお願いなのですが少々「お茶が出てくるのが遅い」ことがあっても、よりお客様に美味しいお茶を飲んでいただくためのお時間ですので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

 

抹茶の無料接待ではマイクでお客様にご案内しております

また、今日の「葵の想い」ではお茶の淹れ方説明は割愛してしまいましたが、葵製茶HPの以下のページで御抹茶・お茶の入れ方がご覧になれます。お茶はどんなお茶でも丁寧に淹れれば美味しさが増しますので、是非このページをご参考に、おうちでお茶を淹れてみてください。(抹茶の点て方・お茶の淹れ方ページhttp://www.aoiseicha.co.jp/cha/index.html